箱庭文学

圧倒的駄文! 何気ない日常のこと、お仕事のこと、思い出話、与太話、妄想・空想など。

綺麗すぎるキッチンと、「変わらぬ日常」を悠然と泳ぎ説くそれら

キッチン

友人たちを家に招いてのパーティーとかが嫌いだ。自分がそんなことをすると想像しただけで身の毛がよだつ。

 


GW中の某日。午後から同僚3人と映画を観る予定だった。

10時過ぎに起きると、おびただしい量のラインが届いてた。遊ぶ予定の3人がグループラインでやり取りをしていた。

読んでみると、なぜか私の家で宅飲みする運びになっていた。GWはどこも混んでるから家で過ごす方が賢明だという論理展開。

眠気眼も早々に超高速で「うちはダメやで」と送信したが、なぜか既読スルーされ、ゆき宅で宅飲みするのが既定路線にされた。

これが民主主義というものか、数の論理というやつかという忸怩たる思いを噛みしめつつ窓越しに空を見た。やけに青い。目からは溢れるものがあった。止めようにも止められなかったw



皆がうちに来る。そう思うだけで気分は沈んだ。

鬱屈とした気持ちを振り払いながら、リビングや廊下にばら撒いてた本や資料を端に寄せ、片付けたフリを済ませた。忍法、掃除した感を演出する術。


正午過ぎ、「もうすぐ着くよ」とラインがきた。

「何号室かわかる?目印にベランダに黄色いハンカチでも結んどくな」という私の返信がこれ以上ないくらい綺麗にスルーされたのは、今ではいい想い出です。



そんなこんなでゆき宅に同僚3人がやってきた。

皆の両手には買い込んだ食材とお酒があった。出来合いのお惣菜とかを持ち寄るのではなく調理するらしい。料理が苦手な私からすれば、なぜ一から作るのか理解に苦しむが、みんながしたいと言うんだから仕方ない。私は過半数を取れなかったんだ。これが民主主(以下省略)。



写真は、3人が仲良くキッチンで料理してる様子をおさめたもの。

一番奥がさおり姉。3つ年上。ノッポ。東大法学部出身の超才女だが、頭が良すぎていろいろ変(笑)。「海賊王にはうちがなったるで♪」などの私の未来予想図をいつも笑いながら聞いてくれる大好きな人。

真ん中の鍋を振ってるのが同期のアッキー。リケジョ。実験するとき割烹着着てた?STAP細胞あるんやろ?ってニヤつきながら聞いたら、やや強めの力で腹を殴打された(笑)。クールさの中に熱意と信念をもった美人さん。大切な人。

一番手前の、さおり姉とアッキーに料理の指示を出しつつ、何か鼻歌を歌うよう私に強要してるのが同期の奈央ちゃん。おもろくてかけがえのない人。

で、西野カナの『トリセツ(鼻歌バージョン)』を口ずさみながらこの写真を撮ってるのが、皆さんご存知、ハイパージーニアス&将来海賊王になる予定のゆきさんでござんす。


私は料理しないんでリビングでトムとジェリーの動画を観てたんやけど、キッチンから絶え間なく楽しげな声が聞こえてくるので、もうこっちとしてはトムの馬鹿さ加減よりもキッチンの方が気になって気になって、最終的には「なあ~、うちもテラスハウスごっこ混ぜてや♪」と合流したのです。

鬼軍曹の奈央ちゃんにサラダ作りを命ぜられた私はキャベツを切ろうとしたんやけど、その瞬間軍曹から「にゃんこの手やろがっ!」とお叱りを受けまして、さおり姉からは「人を傷つける覚悟もねえ、そんな生半可な気持ちで刃物なんて握ってんじゃねえよw」と注意されたんですが、サラダは無事完成しました。


メインディッシュは、料理が得意な奈央ちゃんお手製のスペイン風パスタ。絶品!

おいしい料理にお酒は進み、次第にみな饒舌になっていく。

好きな音楽や本、互いの学生時代の話、武勇伝、恋愛観、職業観、人生観など、それらすべての話題に対して平等に価値が与えられ、わけ隔てなく語られる空間。みな語りたいことを語り出し、そして気づけば語るべきことを語っていた。

楽しい。楽しすぎて時の流れが口惜しく、思わず「この瞬間」の永遠を願ってしまう。



20時過ぎに宴は終わり、みんな帰って行った。

帰ってしまった。

ほんの数時間前まで部屋を埋めていた快然たる喧騒感は、もう家のどこを探しても見当たらない。

キッチンに目を遣れば、みんなが来る前より綺麗になっているそれがあり、冷蔵庫を開ければ、丁寧にラップがけされた奈央ちゃんのパスタがあった。


仲間たちと過ごした時間、そのすべてが充足感に溢れすぎてて、それが過ぎ去った「これから」を思うと、どうしたって憂いは増していく。

数時間前の嬉嬉たる騒めきは残響となり寂寥感を形づくりながら、容赦なく心を毒し始める。心はいたずらに狭くなり、今ある現実を放り出したくなる。どだい掴めやしない過去の快楽を求め出す。


「祭り」のあと、ひとり「日常」に飲み込まれていく際のこんな虚無感や心の動きがたまらなく苦しい。

だから大好きな人を家に入れるのは嫌だ。



綺麗すぎるキッチンが、過ぎ去った時間の豊潤さを我が物顔で叫んでた。

その偶像を壊したくて、わざとちょっとだけ汚す。

顔を上げた先には、気泡に紛れ遊ぶ魚たち。

「変わらぬ日常」を悠然と泳ぎ説くそれらを、ただ静かに眺めてた。どうしようもないまんま。



よろしかったらフォローお願いします!

はてなの読者登録はこちらからどうぞ♪
                          


✔LINEやってます。限定記事など配信してます♪
       友だち追加


ツイッターもめっちゃやってます♪
       


✔当ブログのおすすめ記事はこちら♪
「箱庭文学」のおすすめ記事を10個ピックアップ!